神の国寮では、日々、自立に向けて、各職員が試行錯誤しながら子どもたちの支援にあたっています。それぞれの子にとって、どんな言葉かけがいいんだろう、甘えを受け止めたほうがいいのかな、ここは厳しく対応していこうか…様々な迷いや葛藤が生じています。
「支援」ということを考える時、ある例え話が頭に浮かびます。
海辺に、何も持たずお腹を空かせた人がいます。
あなたは釣り竿を持っています。あなたはその人に何をしますか?
魚を釣ってその魚を渡し、お腹を満たしてあげる、というのは一つの支援方法です。
すぐにお腹が満たされ、苦しい状況から短時間で抜け出せます。
しかし、長い目で見るとどうでしょうか?
あの人は時間が経てばまたお腹が空くでしょう。その時どうしたらいいのでしょう。
では、釣り竿を渡して、魚の釣り方を教える、という支援方法はどうでしょう?
解決まで少し時間はかかりますが、またお腹が空いたら自分で解決することができます。
一般的には、後者の支援が真の支援だという文脈で話されることが多いように思います。困難が生じた時に、自分の力で乗り越えることは確かに大切です。しかし、前者の支援だって、立派な支援なんじゃないか、と最近思います。自分の力だけで生きていく力を身につけることって、そう簡単にはできないし、困った時に人に頼る力をつけることだって大切なんじゃないか…と感じています。
余談ですが、4月に育休から復帰いたしました。職員さんたちと、子ども一人一人に、最適で最善の「支援」を考えていきたいと思います。
【担当心理士:A】